「バドワイザー」の親会社であるビール世界最大手アンハイザー・ブッシュ・インベブは、1030億ドル(約11兆1000億円)に上る負債を圧縮するため、子会社の中でも収益性の高いオーストラリア事業を売却した。だが残るアジア事業に対しては高いバリュエーションが見込めることに加え、変動の大きい豪ドルによる影響が減ることで、インベブにとってマイナス面は限定的となりそうだ。同社は19日、アサヒグループホールディングスが「ビクトリア・ビター」や「ピュア・ブロンド」を含む豪州のビールブランドを113億ドルで買収すると発表した。売却額は同事業の昨年の利払い・税・償却前利益(EBITDA)の14.9倍の水準で、インベブにとっては良い価格と言える。同社は徹底したコスト管理で知られており、アサヒに経費削減余地はおそらくほとんど残っていないことを踏まえるとなおさらだ。
アサヒへのインベブ豪事業売却、後味に苦味なし
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