欧米の投資家は中国の金融開放を長年待ち焦がれてきた。中国政府は今や、自国の最も高リスクで政治的にも慎重な扱いを要する一部資産へのアクセスを拡大しようとしている。だが、大方の投資家は賢明にもそれを敬遠するだろう。先週末に中国国務院(内閣に相当)の金融安定発展委員会は、銀行間債券と中国商業銀行の資産運用子会社への外資投資規制を緩和すると発表した。また、外国の信用格付け会社に全ての銀行間債券の格付けと、銀行間債券の引き受け業務を行う免許の申請を認めた。低格付けの発行体がこのところ苦戦を強いられている点を踏まえると、中国政府が海外からの資金と市場規律の流入に突然前向きになったのも意外ではない。ほとんどの外資は低格付け債券の購入・引き受けビジネスに直接飛び込むことはないだろう。だが、格付けの高い債券を巡る競争が激しくなり、ゆくゆくは地元金融機関が低格付け発行体とのビジネスに回帰する可能性がある。