絵文字の職場利用が増加、その効用はPhoto:123RF

――筆者のクリストファー・ミムズはWSJハイテク担当コラムニスト

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 法人向けクラウドソフトウエア企業のCircleCIでエンジニアをしているマレク・ノワクさん(32)は当初、同僚とのやり取りで絵文字を使うことに違和感があった。それが今では、スラックでのチームミーティングで要旨として残したい発言を投稿する度に、ハグするテディーベアのカスタム絵文字をつける。

 面白いというだけの理由ではない。会社の規定で、ミーティングの要約といった特定の記述を表すために特定の絵文字を使うことになっているのだ。ノワクさんがテディーベアを忘れれば、チームメンバーが重要な決定を見逃す恐れがある。

 ノワクさんは今では絵文字好きを自負。「私が気に入っているチームの価値観は過剰なコミュニケーションだ」と述べ、「チームの4人に3人は既に知っている内容をあえて書きたくないと思っても、問題はない。『過剰なコミュニケーション』を示す絵文字で前置きすれば済む」と話した。

 スラック自体の従業員も、投稿直後のメモを読んでいることを示すために「目」の絵文字を使っている。ニューヨーク州ウッドサイドを拠点とする飲料メーカーのジョイライド・コーヒーのコミュニケーションチャンネルでは、「しらけた顔」どころか「吐きそうな顔」も許容範囲だ。

 最近の調査によると、こうした傾向の背景には脳神経学的な要因があり、それはより良好な協力関係につながることもある。ただ、絵文字の使用が常に適切だという意味にはならないし、絵文字が他のコミュニケーション形式すべての代わりになり得るわけでもない。