EDで悩んだら
何科の病院にいけばいいのか

 さて、冒頭でご紹介した患者さんは全員、泌尿器科に行くのが正解です。

 まず、40代の男性患者Aさん。昔は元気だったのに、今は…という場合、症状から生活習慣病からくる「身体的ED」が考えられます。泌尿器科を早めに受診してください。まずは生活習慣を正すため、禁煙や運動習慣を取り入れ、減量を行うことが非常に重要です(JAMA 2004:291:2978-2984)。

 さらに必要なら内科を受診し、血圧と血糖値のコントロールを行うことでEDの改善が見込めます。早期対応することにより、血管年齢を若返らせ、心筋梗塞や脳梗塞の予防にもつながります。

 次に20代で彼女との性行為ができないというBさん。これは「心因性ED」が疑われます。性行為ができなかったことがトラウマとなり、「また勃たないかも」とさらなる不安を生みます。そんな経験を重ねることにより負のスパイラルに陥ってしまうのです。早期に治療開始し、成功体験を繰り返すことにより、EDは改善されることでしょう。

 最後に、セックスレスのご夫婦。重要なことは、“EDは本人だけの問題ではない”と認識することです。性行為は、夫婦生活の改善につながります。今後のことを踏まえ、Cさんのご主人には泌尿器科の受診を勧めます。実際に夫婦で泌尿器科を受診された方もいます。夫婦間で悩みを共有し、共に解決に向かって歩み出すことが必要です。

 泌尿器科を受診された場合、問診や簡単な質問用紙に答えてもらうことが中心になってきます(BJU Int 2015:115:355-356)。男性ホルモンの検査、また心疾患の有無を調べるため心電図検査などを行うケースもあります。

ED治療は「自由診療」のため
病院によって料金はまちまち

 ED治療は健康保険が適応されず、全て自由診療となっています。そのため診察費や検査費は病院間で異なります。受診前に金銭面の情報が知りたい場合は、電話で問い合わせてみるべきでしょう。

 そして、治療の中心となるのが薬物療法です。ED治療の代表的な薬は、3種類あります。商品名は「バイアグラ」「レビトラ」「シアリス」で、これらの薬は医療用医薬品として認められてはいますが、これも保険が適応されません。最近はこれらも含めたED治療薬がインターネットで販売されています。しかし、これを購入、使用するのは非常に危険です。というのは、成分が全く異なる偽物が数多く流通しているからです(J Sex Med 2016:13:465-488)

 効果がないだけならまだいいものの、場合によっては副作用で健康を害することもあります(Int J Clin Pract 2010:64:497-504)

 きちんと医師から処方されたものを服用するようにしてください。

相川浩一

相川浩一(あいかわこういち)
東京慈恵会医科大学病院 勤務
千葉県出身。2010年東京慈恵会医科大学を卒業。聖路加国際病院にて初期研修し 、2012年より母校である慈恵大学泌尿器科学講座に入局。大学病院、関連施設にて泌尿器科一般、悪性疾患、腹腔鏡手術などを中心に診療を行っている。