英ポンドが対ドルでおよそ34年ぶりの安値に迫っている。英国が合意のないまま欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)に踏み切り、経済が混乱するとの懸念が市場で高まっているためだ。ファクトセットによると、30日の取引でポンドは1.2091ドルまで下落。ただ、これは2017年1月につけたEU離脱決定以来の安値(1.2065ドル)はまだ上回っている。これを下抜けると、ポンドはほぼパリティ(1ポンド=1ドルの等価)の水準に達した1985年初頭以来の安値が視界に入る。投資家をポンド売りへと駆り立てているのは、とりわけ「合意なき離脱」への不安だ。背景には、ボリス・ジョンソン英首相率いる新政権の閣僚から、合意なき離脱が最も可能性の高い選択肢であると示唆する発言がここ数日相次いだことがある。
英ポンド売りに拍車、「合意なき離脱」に現実味
市場はジョンソン新政権の強硬姿勢を不安視している
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