インチキな食の解説をしている
医者や栄養士があふれている!

 ところが、実際にはほとんど生化学の知識がないままに、インチキな解説をしている医者や栄養士がごまんといて、あなたを混乱させています。

 私の専門である糖尿病の治療には、生化学の知識が必須。何をどう食べれば体の中でどういう変化が起きるかを理解した上で、患者さんに食事指導を行う必要があるのです。

 ところが、現実にはそれをやっている医者はまれで、多くがいまだに医学的に間違っている、昔の治療法であるカロリー制限を患者さんに強いています。生化学の知識がないから、カロリーの高い食事が血糖値を上げると信じ込んでいるのでしょう。

 その結果、患者さんは空腹を我慢し、好きなお酒も控えてつまらない毎日を送ることになります。しかも、そこまでしたのに血糖値は上手くコントロールできず、腎不全や失明といった重い合併症に苦しめられるのですからひどい話です。

『医者が教える食事術2 実践バイブル』では、生化学に基づいて「何を、いつ、どうやって」食べればいいのかを紹介していますので、ぜひ参考にしてください。また、本連載では、その実践的な食事術の一端を紹介していきたいと思います。

(この原稿は書籍『医者が教える食事術2 実践バイブル――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70』から一部を抜粋・加筆して掲載しています)

*1  独立行政法人 国民生活センター平成29年8月3日付報道発表資料