米上場企業の間で、銃暴力事件が業績に与える影響をひそかに投資家に警告する動きが広がってきた。米証券取引委員会(SEC)への提出資料を分析したことろ、レストラン・娯楽施設運営のデイブ・アンド・バスターズ・エンターテインメントやレストランチェーンのデル・タコ・レストランツ、テキサスの不動産会社ストラタス・プロパティーズなどの企業は、直近の年次報告書で、「アクティブシューター(無差別銃撃者)」による事件発生のシナリオを「リスク要因」として情報開示している。レストラン運営のザ・チーズケーキ・ファクトリーは過去4年の報告書にこれを盛り込んでいる。背景には、米国で近年、銃乱射により多数の犠牲者が出る事件が相次いでいることがある。米連邦捜査局(FBI)によると、2016〜2018年のアクティブシューター事件による死者は306人、負傷者は850人に上り、それ以前の3年間(死者136人・負傷者181人)から大きく増加している。FBIはアクティブシューターを「単独または複数の銃撃者が混雑した場所で殺害を試みる行為」と定義している。