中国の景気は減速しているが、電子商取引大手アリババグループは問題を回避する方法を見つけている。その方法とは、より小さな貧困都市への浸透だ。アリババの4-6月期の売上高は前年同期比42%増と、S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスの予想を上回った。売上高を押し上げたのは料理宅配やクラウドサービスなど、利益の出ていない新事業だ。ただ、通販サイト「淘宝網(タオバオ)」や天猫国際(Tモール・グローバル)といった中核事業も売上高が26%増加し、中国の景気減速が個人消費の足かせになった可能性を巡る懸念を和らげた。15日の米株式市場でアリババは取引開始直後に一時5%近く上昇した。増収の大部分に中国国内の新興地域が寄与した。アリババは4-6月期中、米国の「ブラックフライデー(感謝祭翌日のセール)」に似た「618商戦」を実施した。この18日間の販売促進イベントは何年も前から実施しているが、今年は過去最高の売上高を達成。同四半期は年間アクティブコンシューマーの増加数のうち、7割余りが地方小規模都市に住む消費者となった。
アリババ決算好調、中国景気減速どこ吹く風
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