さらに、心臓が1分間に何回拍動するかも大きな要素になります。仮に1回の拍動で70ccの血液が流れるとした場合、拍動回数が1分間に10回と20回では血液量には2倍の差が生まれます。つまり、心拍数が多ければ多いほど、血圧は上がってしまうのです。

 もう1つの要素が、血管の直径の太さです。多くの場合、交感神経が優位になることで血管が収縮し、直径が狭くなれば、血液の流れに抵抗が生まれて血圧が上がります。

 つまり、その3つを上手にコントロールすれば、高血圧も治療が可能です。実際、3つの要素をそれぞれに抑える薬が治療に使われています。

 例えば、血流量は、塩分を尿から出して血液の量を減らすために利尿剤が使われます。心拍数を抑えたり、心臓のポンプ能力を抑えたりするのが、交感神経抑制剤です。血管の抵抗を低くする、つまり血管を拡張させる薬が、血管を収縮させるホルモンの阻害剤であるアンギオテンシンII受容体拮抗薬やカルシウム拮抗薬です。

高血圧最大の敵・ストレスは
1分間に6回、3分の「深呼吸」で撃退

――どのような対策が最も効果的でしょうか?

 薬による治療もありますが、それ以前に生活習慣を改めることが大切です。「食事」と「運動」、そして「ストレス」のコントロールがカギになります。

 まず、日本人の場合、まだ塩分の取り過ぎで高血圧になっている人が多いので、まずは1日の食塩摂取量を減らしてみてください。

 私がいつも高血圧の患者さんにお聞きする質問が2つあります。1つは、お漬物にしょうゆをつけますか。もう1つはラーメン屋さんでスープ全部飲みますか。そのうち、どちらか1つでもイエスなら、間違いなく塩分の取り過ぎです。

 そうはいっても、「1滴たりともスープを飲むな」というのは非情でしょう。人間の生活習慣をある日、突然大幅に変えるのは難しいものです。ですから「最初は、スープを半分残すことから始めてみましょう」とお伝えしています。

 そして、先ほど挙げた「血管の太さ」をコントロールする意味で重要なのが、運動です。実際、運動をすると、血管を広げるホルモンを体が出してくれるので、適度な運動を繰り返すこと、ウオーキング、ジョギングをすることで血圧は落ちていきます。私がおすすめしているのは、バスを使わずに駅まで歩いたり、電車を使う人なら1駅分歩いたりすること。会社のエレベーターを使わないで階段を使うのも適度な運動でしょう。