最低限決めたこともできない日は
自分に課すハードルを下げる

 長期に及ぶ試験勉強の間には、発熱や痛みといった体調不良、極度のストレスや多忙といった、突発事に襲われることがあります。

 気力や時間を失って、前項の「計画内容を減らして実行する」凡事徹底すらできない。そんな日には、「この1日が『アリの一穴』となって、習慣が壊れてしまわないか?」と不安になるものです。

 最低限やると決めたこともできない日には、さらにハードルを下げた次のような凡事徹底をして、翌日からの挽回につなげましょう。

●テキストのページめくり

 数分間だけでいいので、テキストを開いてパラパラとページをめくります。当然、計画は未達になります。しかし、そのたった1つの行動が、「あんな日でさえ、自分はとにかくテキストを開いた」という自負を与えてくれ、勉強習慣をギリギリのところで維持してくれるのです。また、ページめくりには予習や復習の効果があります。

●目次だけを見る

 テキストを開いて、目次だけを見るのもよいでしょう。そのとき、つとめて「ここには○○のことが書いてあったな」と目次の内容を思い出すようにすれば、なおOKです。「木を見て森を見ず」といいますが、目次は「森」、本文は「木」です。木を見なくても森を眺めれば、知識全体の想起力が養えます。

●友人と問題を出し合う

 同じ試験を目ざす人とSNSで友人になり、自作の問題を出し合い、答え合うことで力をつけ、技術士に短期間で合格した受講生がいました。勉強意欲を阻喪したときにはSNSが救いになる、という人間心理にかなう方法です。勉強を孤独な闘いにしないという意味からも、お勧めできます。

「同じ時間に、同じ場所で、
同じことをする」すごい効果

「(2)同じ時間に同じ場所で同じことをする」は、マンネリやスランプを防ぐのに効果的な方法です。心は、1日、1週間、1ヵ月、1年という長短の単位でコロコロ変わります。(2)によって、変化の波をフラットにするのです。

 TOEICの得点がたった590点だった高校の英語教師が、この方法で長丁場の勉強を乗り切りました。彼女は、1年目に720点、2年目に850点、3年目に満点に近い920点を目ざす長期計画を立てました。そこで私は、スランプを防ぐために、この方法を勧めたのです。仕事の都合で「同じ時間に」は無理でしたが、彼女は毎日「帰宅後は自室の同じ机の同じ教材でヒアリングを20分間やる」ことを徹底し、みごとに目標をクリアしたのでした。