株価が下落すれば、ドナルド・トランプ米大統領が貿易交渉での強硬姿勢を和らげ、株式市場を支えてくれると期待すべきだろうか? 答えは「思ったほど頼りにならない」だ。市場関係者の間では、S&P500種指数が下落すると、貿易交渉に関するトランプ政権の発表パターンが「トランプ・プット」に相当するとの見方が広がっている。株価が特定水準まで下がると利益が発生するデリバティブ取引に似ていることが命名のゆえんだ。先週の株式相場では、このトランプ・プットが威力を発揮した。トランプ氏が来月から実施予定だった対中関税について、一部の発動延期を発表すると、S&P500は1.5%値上がり。それ以前には、S&P500が一時6%余り下げるなど、市場が急落していた。とはいえ、その急落も、そもそも中国製品への追加関税を発表するというトランプ氏自身の行動が招いたものだった。
「トランプ・プット」、株安の処方箋にはならず
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