報道によればリクルートキャリアは「リクナビDMPフォロー」を通して、就活生の内定辞退率を個人が特定できるかたちで、同サービスを利用する企業38社に提供していたとのことでした*1。リクナビ2020のプライバシーポリシーには、以下のような記載がなされています。

リクナビ2020 プライバシーポリシーリクナビ2020 プライバシーポリシー(株式会社リクルートキャリア、2019年8月14日取得、傍線加工 BUSINESS LAWYERS編集部) 拡大画像表示

 この「行動履歴等(当該ログイン以前からの行動履歴等を含みます)を分析・集計」した結果こそが、今回問題となっている内定辞退率にあたると考えられます。同プライバシーポリシーの記載では、「行動履歴等は、あらかじめユーザー本人の同意を得ることなく個人を特定できる状態で第三者に提供されることはございません」とあるものの、冒頭の傍線で示した「個人を特定したうえで、」の文言がどの文節にかかるのかがはっきりしないために、個人が特定されるかたちで内定辞退率を企業に提供するという意味なのか、個人が特定されないかたちで企業に提供するという意味なのかが不明確といえます。

 個人情報保護法上、個人情報取扱事業者は、原則として、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならないものとされています(個人情報保護法23条1項)。リクルートキャリアの8月1日付プレスリリースによれば、「ご同意いただいたプライバシーポリシーに基づき、リクナビサイト上での行動履歴の解析結果を取引企業に対して提供しておりました」との記載があるため、リクルートキャリア自身はユーザー個人が特定されるかたちで内定辞退率を提供することについて、同プライバシーポリシーによって同意を取得できていると判断していたようです。その後、リクルートキャリアは8月5日付プレスリリースで、学生7983名については同プライバシーポリシーによる形式的な同意すら得られていなかったことを発表しました。

 しかし本件で問題なのは、プライバシーポリシーの内容が不明確であることで、これら7983名以外の学生についても適切な同意が得られていなかった可能性が残っているという点であると考えます。

*1 日本経済新聞「就活生の「辞退予測」情報、説明なく提供 リクナビ」 (2019年8月1日、2019年8月9日最終閲覧)