「本当にドライアイなのかしら。点眼薬を差しても全然ラクにならないのねー。ちょっとでもラクになるんなら、ありがたいんだけど。全然、変わらないのよ」

 夫の憲治郎さん(仮名・43歳)に訴えると、彼はあきれたように言った。

「ドライアイじゃないのかもしれないね。でも、目を酷使していることは確かだよね。今もそうだよ。会社でずっとパソコンを見ているんだから、家でタブレットを見るのはやめれば」

 そう。由未子さんは活字中毒。よく言えば読書家で、とにかく文字を読んでいないと落ち着かない。周りに書物がないときは、芳香剤の注意書きさえ読んでしまう。

「大丈夫よ。タブレットは文字大きくして読めるし、ほら、こうやって片目を手でふさいで読むとラクなの。片方ずつ休ませられるからかしら。あ、でも見て。まぶたがピクピクしてきた。これって、眼瞼(がんけん)けいれんかな。うわっ、なんか気持ち悪い。やっぱり目が疲れすぎているのかしら」

今度は花粉症の診断
納得できずに見つけたのは…

 点眼薬にまったく効果を感じなかった由未子さんは、別の眼科を受診した。一通りの検査を終えた後、医師は困ったように言った。

「ドライアイではないですね。少しだけ、白内障がありますから、まぶしいのはそのせいも考えられますが、でもおっしゃるほど重症ではありません。ちなみに、花粉症で困ったことはありませんか。拡大顕微鏡で見るとほら、アレルギーの兆候が見られます。花粉症でも目が痛くなったり、かゆくなったり、開けているのがつらくなることがありますので、そのせいかもしれませんよ」

「そうですか。花粉症を自覚したことはないんですけど、そうかもしれませんね」

 もちろん、目の不調の原因が、花粉症だとは思えない。途方に暮れる由未子さん。ふと思いついて「眼瞼けいれん」で検索してみると、意外にもたくさんのサイトが見つかり、症状のところには「必ずしもまぶたがピクピクと“けいれん”するわけではない」「まぶしさを感じる(羞明)」「目をつぶっているほうが楽」」「目の不快感や痛み」「よくドライアイと間違えられる」などと書いてあった。

(あれ、眼瞼けいれんってピクピクするだけじゃないんだ。それにこの症状、私と似てる)