天候の影響を受けず、旅客機も飛行せず、飛ぶのは偵察機だけという成層圏。そこでドローンを飛ばそうと、航空大手や大手テクノロジー企業が開発競争を繰り広げている。各社によると、太陽光による電力で高高度を飛行するドローンはコストや操縦性、配置の早さなどの点で既存の人工衛星より有利な可能性があるという。開発を行っているのはエアバス、ボーイング、ソフトバンク・グループの各子会社。成層圏ドローンは数カ月間、自力で飛行し、画像を撮影したり、1万8000メートル以上離れた地上にインターネット接続サービスを提供したりすることが期待されている。各社は軍事用、民生用の両方で市場の構築が可能とみている。ただ出だしは順調とは言えない。エアバスは今年3月、オーストラリア北部にある成層圏用の自社空港でグライダーのような形をしたドローン「Zephyr(ゼファー) S」の飛行試験を実施。しかし大気圏の低空を飛行中に悪天候に見舞われ、試験を途中で打ち切った。豪航空当局の広報担当者によると、ドローンは壊れた。エアバスは年内に再度、試験を行う予定だ。