価格高騰を続ける香港の不動産市場が変調をきたしている。米中貿易摩擦の激化や世界経済の成長鈍化に加え、反政府デモが圧力となっているためだ。  香港の大手不動産会社の株価は過去2カ月に値下がりし、注目の再開発地域における一等地の売却案件もとん挫した。住宅価格もやや下がっており、これまで何年にもわたり上昇基調にあった住宅価格が今年、横ばいになるとの予想も一部で出ている。  貿易摩擦や世界経済の減速は、香港以外の世界主要都市でも商業用不動産価格の重しとなっている。だが、香港経済での不動産の役割は極めて大きく、香港株式市場にとって不動産業界は最重要セクターの一つだ。