全国に1700以上ある市区町村の「幸福度」や「住みやすさ」などの魅力度を調査したさまざまなランキングが発表されている。しかし、上位にランクインしていても実際は人口流出に悩んでいる自治体が少なくない。果たしてそれで、魅力ある自治体といえるのだろうか。
そこで、筆者の所属する中部圏社会経済研究所では「地域力指標」というものを開発し、全国市区町村の本当の魅力を算出した。地域力指標とは、生活基盤や教育など地域の人を惹きつける魅力を示す「地域力フロー指標」と、地域の持続可能性を示す「地域力ストック指標」を総称したものである。
「地域力フロー指標」と「地域力ストック指標」の詳しい概要については、こちらを参照いただくとして、47都道府県を6つのブロックに分けた中から、今回は中国・四国9県それぞれの本当に魅力ある市区町村ランキング・ベスト5を紹介する。
広島県の本当に魅力ある市区町村ベスト5
1位は企業城下町の府中町、人口密度が最も高い
広島県の地域力フロー指標トップの府中町は広島市に囲まれている。いわゆる企業城下町として知られ、県内で最も面積が小さく人口密度が最も高い。生活基盤、教育の分野で全国でも上位であり、広島市を上回った。
2位の東広島市は広島市の東側に隣接する。日本有数の酒処であり、大学などの研究機関も集積している。どの分野でもバランスよく全国平均を超える評価となっている。特に、生活基盤、教育、コミュニティの分野で広島市を上回る高い評価となっている。3位の広島市は県庁所在都市、中国・四国地方最大の都市である。どの分野でもバランスよく全国平均を超える評価となっている。4位が海田町、5位が廿日市市となった。
広島県の地域力ストック指標トップは、地域力フロー指標2位の東広島市である。広島市のベッドタウンとしての性格も強く、後期高齢者比率が県内で2番目に低い。2位の海田町は広島市の南側に隣接する。やはり広島市のベッドタウンとしての性格が強く、後期高齢者比率が県内で最も低い。3位の府中町は後期高齢者比率が県内で3番目に低い。4位が広島市、5位が廿日市市となった。
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