「地域力フロー指標」とは?
地域の魅力の7割は非経済的な魅力

 まず、地域力フロー指標については、多様な価値観を持った個人と多様な魅力を持つ自治体を前提にしている。つまり、人は自らの価値観、つまりどの自治体が自分にとって幸福度が高いか、暮らしやすいかという主観に合う自治体に移動し、そこで子を産み育てたりして、最終的には生涯を終えるのだと考えた。

 人口の社会増と自然増が高い自治体ほど人を惹きつける魅力が豊富にあり、しかもそうした魅力には共通の要因があるはずだ。そこで、機械学習の力を借りて、117種類のデータの中から、全国全自治体の人口移動をもっとも精度高く説明できるデータの組み合わせを、人を惹きつける共通の要因として算出したものが地域力フロー指標である。

 117種類のデータから機械学習の手法により選択されたのは、17のデータで、「生活基盤」「教育」「コミュニティ」「住民・福祉」「女性の活躍」の5分野に分けられる(図1)。

選択された指標と5分野出所:中部圏社会経済研究所試算
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「生活基盤」分野を構成する指標のうち、納税義務者1人当たり課税対象所得および1世帯当たり年収(2人以上世帯)は、人が生活を営む上でもっとも基本となる所得水準を表す。事務所新設率はリスクを取って起業する者の多さ。可住地面積1ha当たり他に分類されない飲食料品小売業の事業所数は、生活の利便性を示すコンビニの数。1人当たり労働費(市区町村財政)5年変化は自治体が地域住民の就業支援にどれだけ熱心であるかを示す。

「教育」分野を構成する指標のうち、平均修学年数は地域住民の平均学歴の高さ。1人当たり学習塾従事者数は私的教育の充実度。1人当たり(15歳未満)教育費(市区町村財政)5年変化は自治体の義務教育の熱心さ。1人当たり教養技能教授業の従事者数は生涯学習の充実度を表す。