凄まじい勢いで植生が拡大
「雨前線の移動」とは何か

「中国の降雨の臨界点は全地域において北へ移動」と題するこの情報は、中国の雨前線の移動に大きな変動が起きていることを取り上げている。

 それによると、中国の気候はこれまで秦嶺山脈を境界線として、片方は湿潤温暖、もう片方は乾燥寒冷地帯であった。しかし、今年は豊富な雨が秦嶺山脈を超えて降っただけでなく、青海チベット高原にも降った。青海チベット高原の全範囲を超えただけでなく、新疆の2大盆地(タリム盆地、チャイダム盆地)にも雨が降り、すでに3年間もこのような状況が続いている、ということだ。

 その降雨量の変化により、現在の新疆の植生は1年で150キロの猛烈な速度で地盤を拡大している。内蒙古の植生は、今年は40キロというすさまじい速度で回復している。一方、東北地域の黒竜江省では、森の中には多くの広葉樹が育ち始めたという報告が出ているそうだ。

 これまで、中国の降雨地域の極限は四川省の雅安だった。四川盆地の雅安地区が最も降水の多いところだった理由は、気温が高くなければ、水蒸気を含む雲は秦嶺山脈や川北高原を越えられなかったため、その水分はすべて雨となって雅安のところで降っていたからだ。

 しかし、異常な気候変動により、今は雨前線が陝西省漢中市にその勢力範囲のラインを敷いた。つまり、雨の極限が全ラインで陝西地区に進んだといえよう。

 もう1つの要素にも触れてみたい。中国政府が西北地域などで推進している「退耕還林政策」だ。

 中国では土地の過剰利用などによる土壌流失問題の深刻化、乾燥地帯の拡大による砂漠化に代表される現象に頭を痛めている。1990年代後半、自然環境が厳しく、傾斜度が25度以上などの作業条件が悪い農地などに対して、耕作をやめて植林を実施するよう、中国政府が呼びかけた。それが「退耕還林政策」である。