中国の長江以南の地方では、10年後には冬が訪れず、温度が次第に上がり、林が生い茂るだろう。芭蕉科の植物も秦嶺山脈を超えたところに生えるようになる。
 
 陝西省、甘粛省、寧夏回族自治区、新疆ウイグル自治区など、中国の広大な西部地区は緑豊かな山河になる。これは「10年以内に実現できる現実の風景だ」という見方も出ている。

中国全土を潤す
うれしい気候変動

 気候情報はさらに、次のような絵を描いてみせた。

「この状態が10年続けば、黄河は清らかな流れになるだろう。黄河流域はここ3年、中上流の両岸に広がる平原・高原地域での植生が回復し始めた。その植生が回復した分量は過去20年分の総量にあたる。
 
 以前は植樹に頼っていたが、樹木の下には草が生えていなかった(降水不足)。今は降水量が豊富なため、黄河中上流の両岸に広がる平原・高原地域の樹木の下には低木や下草が生え始めた。

 しかもうれしいことに、蘭の花も見かけた。蘭の花が生えるということは、土壌に含まれる水分が安定し始めたことを物語っている。そして、甘粛省の植生もそれに伴い回復し始めている。陝甘寧盆地、チベット、モンゴル、新疆の大地は緑になり、川も流れる」

 気候変動の功罪に関する評価と分析はさておき、こうした変化を想像するにつけ、今回、私は、このテーマで記事を書かないと気が済まなかったのである。

(作家・ジャーナリスト 莫 邦富)