発売即3万部の大重版! 今、話題のExcel本! 『神速Excel』の著者である中田元樹氏が、今まで語られてこなかったExcelテクニックをやさしく解説します。本連載で取り扱うのは“Excelスピードインパクト”というExcel操作を高速化する技術です。「高速化」と聞くと、「ショートカットを駆使して操作を行う」というイメージを持たれるかもしれません。しかしそれよりも、

・セルの移動と選択をスピーディに行う
・不具合が起こった際に瞬時に解決する
・スピーディにセルの値や数式を編集する
・関数を一瞬で複製する

こうした基本動作を「無意識レベル」で行えるかどうかがカギなのです。この土台の上にショートカットの知識が組み合わさり、初めて「Excelスピードインパクト」を実現できます。基本動作をわかりやすく解説し、一つ一つの仕組みを紐解いていきます。「基本動作」と「ショートカット」をマスターし、「達人の技」を身につけてもらうのが本連載の狙いです。

エクセルが必ず速くなる基本ショートカット30Photo: Adobe Stock

Excelが速い人は、マウスを絶対使わない

 Excelのほとんどの操作は「(1)移動 → (2)選択 → (3)命令」の工程で成り立っています。下記の画像を見てください。

エクセルが必ず速くなる基本ショートカット30

 当たり前すぎて見過ごされがちなのですが、エクセル操作の半分以上はセルを移動して、選択する操作であるといっても過言ではありません。この操作をスピーディに、かつ、マウスではなくキーボードで行う技術が、非常に大切になります。

 このことは、Excelがかなり得意な人でも見落としているケースが多いです。さて本日は、エクセル操作の肝である「移動」と「選択」に効くショートカットをご紹介します。

「移動」と「選択」に効く30のショートカット

(1)「Ctrl & PgUp」で左のシートに移動する。

(2)「Ctrl & PgDn」で右のシートに移動する。

(3)「Ctrl & ↑ ↓ ← →」でデータが終わるまで、もしくは次のデータにぶつかるまでセルをワープする。

(4)「Enter」で下のセルに移動する。

(5)「Tab」で右のセルに移動する。

(6)「Shift & Enter」で上のセルに移動する。

(7)「Shift & Tab」で左のセルに移動する。

(8)「PgUp」でディスプレイ上の表示を上方向に移動する。

(9)「PgDn」でディスプレイ上の表示を下方向に移動する。

(10)「Shift & 矢印」で選択範囲を拡張する。

(11)「Ctrl & Shift & 矢印」でデータが入力されている範囲の先頭行、末尾行、左端行、または右端行まで選択する。※詳細は『エクセルは「Ctrl」と「Shift」を使うと、一気に速くなります』を参照。

(12)「Ctrl & Space」で列全体を選択する。

(13)「Shift & Space」で行全体を選択する。

(14)「Ctrl & A」ですべてのセルを選択する。

(15)「Ctrl & F」で文字列を検索する。

(16)「F5」で指定したセルにジャンプする。

(17)「Ctrl & Shift & PgUp/PgDn」で複数のシートを選択する。

(18)「Ctrl & Home」でA1のセルに移動する。※ウィンドウ枠の固定を行っている場合は若干動作が異なる。

(19)「Ctrl & End」でデータの末尾行・末尾列のセルに移動する。

(20)「Alt & PgUp」でディスプレイ上の表示を左方向に移動する。

(21)「Alt & PgDn」でディスプレイ上の表示を右方向に移動する。

(22)「Ctrl & Backspace」でアクティブセルを表示する。※表示されている画面の外にアクティブセルがあるとき。

(23)「Ctrl & Shift & O」でコメント付きのセルを選択する。

(24)「Ctrl & ] 」で参照しているセルを選択する。※該当するセルが見つからない場合にアラートが表示される。

(25)「Shift & F8」で選択範囲に追加する。主に隣接していない複数のセルを選択する場合に使用する。

(26)「Ctrl & >」で選択範囲の四隅のセルを移動する。

(27)「Shift & Backspace」でセルの選択を解除する。

(28)「Shift & F4」で直前の検索コマンドを実行する。次を検索する。

(29)「Ctrl & Shift & F4」で直前の検索コマンドを実行する。前を検索する。

(30)「Ctrl & Shift & :」表を選択する。※Ctrl & Aとは異なり、アクティブセルが表の左上になる。

以上です。仕事でよく使うショートカットは何度も繰り返し、指に覚えさせてください。

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