7つのコツ【6つ目】

能作:はい。6つ目は
「デザイン力を磨く」
 です。
 僕は、「素材のよさ」を引き出しつつ、「時代を反映するデザイン」を盛り込みながら、日用品としての金属の可能性を追求しています。
 したがって、商品開発にあたってはデザインを重視しています。
 商品のデザインは、はじめは自分で行っていましたが、現在では、小泉誠(こいずみ・まこと)さんや安次富隆(あしとみ・たかし)さんなど、外部のプロダクトデザイナーと積極的にコラボしています。
 デザイナーが多いと、商品のブレが出やすい(シリーズとしての統一感が出にくい)のですが、「素材」を統一するとブレが見えにくくなるため、素材のよさを引き出すことができます。
 ただし、店舗の設計や什器(店舗で使う家具や器具)やグラフィックデザインは、それぞれ信頼する一人のデザイナーにお任せして、統一感を演出しています。

――デザイナーさんとはどんな契約なのですか?

能作:デザイナーさんとの契約は、販売実数をもとに対価を支払うロイヤリティ契約(成果報酬型)にしています(デザイン料を固定しない)。
 デザイナーからしてみれば、「いいものをつくればつくるほど(売れれば売れるほど)、報酬が増える」のでモチベーションが上がります。一方、能作からしてみれば、売れない製品に無駄なコストをかけずにすみます。

――それならデザイナーもモチベーションが上がるし、能作さんにもいい仕組みですね。いよいよ最後の7つ目はいかがでしょう。