親リッチ
お金持ちの子どもや孫である「親リッチ」、その特性とは?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「親リッチ」とは、親が裕福でさまざまな支援を期待できる人、すなわちお金持ちの子どもや孫を意味する造語である。将来、親や祖父母の資産の継承が見込まれるため、富裕層ビジネスを手がける企業において長期的に重要なターゲットとなる。今回は、すでに隠れた消費の主役となっている親リッチの実像に迫りたい。
※なお、本稿は、日本経済新聞出版社より2019年11月に刊行された日経プレミアシリーズ『親リッチ』からの抜粋・要約である。

全国に235万人、急増する親リッチ

 親リッチを「親もしくは祖父母の世帯の純金融資産保有額が1億円以上(富裕層・超富裕層)である20代~50代の人」と定義すると、その数は全国に235万人と推計される(表1)。これ以外にも、富裕層や超富裕層の子ども・孫・曾孫で20歳未満の人(ネクスト親リッチ)が299万人いる。

 親リッチの人数は急速に増えていると見られる。その理由は、彼らの親や祖父母である富裕層・超富裕層が、アベノミクスによる資産価格の上昇を背景に急増しているからだ。2017年の推計結果では、純金融資産を1億円以上保有する世帯は日本全国に126.7万世帯、2011年と比較して1.6倍になった。それに対して、この間の総世帯数は1.1倍にしかなっていない。

 親・祖父母世代はいずれ消費市場から退出していく。その後、消費市場の主役になるのは、彼らの資産を承継する235万人の親リッチである。さらに、その後には299万人のネクスト親リッチが続く。消費の主役交代は遠い将来のことではなく、親や祖父母からの金銭的な支援を通じて足元でも起きている。