
技術革新がもたらす秩序の動揺
技術変化が経済と政治を規定
先進各国では、既存の経済秩序、政治秩序が大きなチャレンジを受けている。国際政治においても、米国の覇権が中国に脅かされている。既存の秩序が揺らいでいるのは、何が原因か。
それはイノベーションであり、現代ではITデジタル革命だ。
ITデジタル革命が新たな経済システムを形成しつつある一方で、イノベーションによる所得の二極化が政治や経済の不安定を生むことになっている。
法律や政治的な関係性あるいは、道徳、芸術、宗教など人々の意識は、土台となる経済構造に依存し、土台に応じて変化する、と論じたのはマルクスだった。
経済構造(下部構造)が変化しているから、政治構造(上部構造)も変わってきたのである。
それでは、経済構造を変化させるのは何か。それは技術(テクノロジー)に他ならない、というのが筆者の仮説だ。