米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」の注目記事の要点を短時間でまとめ読みできてしまう「WSJ3分解説」。今回は、世界的なビッグニュースとなった米グーグルの創業者2人の退任劇を取り上げます。一代で世界有数の企業を築き上げた2人の功績に疑いの余地はありませんが、このタイミングで一線を退くこと、そして退き方に対して否定的な見方もあるようです。(ダイヤモンド編集部副編集長 鈴木崇久)
グーグル創業者2人が退任を発表
親会社アルファベットCEOにピチャイ氏
12月3日、大物経営者の退任の一報が世界を駆け巡りました。創業20年余りで米グーグルを世界有数の企業に育て上げた共同創業者2人が、経営の一線から退くと表明したのです。
グーグルの親会社である米アルファベットのラリー・ペイジ最高経営責任者(CEO)とサーゲイ・ブリン社長は、グーグルのスンダー・ピチャイCEOにアルファベットの経営を任せると発表。即日付の人事という、あっという間の退任劇でした。
米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」も次のような記事で、すぐにこのビッグニュースを報じています。
●「ウォール・ストリート・ジャーナル」より
>>グーグル創業者が一線退く、親会社CEOにピチャイ氏
同記事内でWSJは、「ペイジ、ブリン両氏は1998年にグーグルを創業。画期的な検索エンジンからスタートし、巨大ネット企業を築き上げた。時に休み知らずで自由闊達(かったつ)な企業文化を生み出し、自動運転車や成層圏への気球打ち上げなど、新規事業を幅広く手掛けてきた」と、創業者2人の功績を称えています。
ただ、「昨今は、従来の成長軌道の維持という課題にも突き当たっている」という問題点も指摘。「グーグルは今年、まれにみる厳しい逆風にさらされている。米アマゾン・ドット・コムなどの競合にオンライン広告事業のシェアを削り取られる一方、州や連邦の規制当局は意図的な競争抑制の行動を巡り広く調査に乗り出し始めた」と論じています。
では、今回の創業者2人の退任によってアルファベット・グーグルはどこへ向かうのでしょうか? 今直面している経営課題に対して有効なアクションだったのでしょうか?