習近平国家主席権力基盤を強固にし、独裁色を強める習近平国家主席 Photo:Kevin Frayer/gettyimages

米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」の注目記事を短時間でまとめ読みできてしまう「WSJ3分解説」。今回は、米中貿易戦争と香港問題といった、中国政府が抱える難問に新たに加わった、新疆ウイグル自治区での弾圧問題を取り上げます。下手をすれば、香港問題並みに炎上することもありそうです。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)

ニューヨーク・タイムズが暴露した
新疆ウイグル自治区での弾圧の実態

 中国政府が行っている新疆ウイグル自治区での弾圧に対して、世界中で非難の声が大きくなりつつあります。

 発端は11月16日。米紙「ニューヨーク・タイムズ」(NYT)によって暴露された、403ページにも及ぶ中国共産党内部からの文書でした。

 以下のWSJの記事では「中国の反イスラム的な文化浄化に関し、国際社会がすでに断片をつなぎ合わせて把握していた状況に加え、今回明るみに出た弾圧の規模からすると、何らかの対応が求められる」と、文書内に記されている人権侵害は、もはや看過できるものではないという見解を示しています。

●「ウォール・ストリート・ジャーナル」より
>> 【社説】中国がひた隠す新疆ウイグルの秘密

 すでに新疆ウイグル自治区には、政治・思想統制のための「100万人を超えるウイグル族を強制収容するキャンプ」(WSJ)があることは広く知られています。

 文書内では、そうしたキャンプに家族が強制収容されたことを知ったウイグル族のエリート学生に、当局者がどう対応するかという想定問答集が記されていました。