Q7:面接ではある程度、自分を“盛った”方がいいでしょうか。

 盛ったところで、落ちるものは落ちます。盛る盛らない以前に、大事なのは「相手が何を求めているかを理解し、それに対して自分のいいところをきちんとアピールする」ことです。

 たとえば「甲子園出場」をアピールしても、それだけでは何の意味もありません。「レギュラーとして日々練習に打ち込む継続的な努力によって、甲子園出場を果たした」なら伝わります。甲子園に出ていなくても、レギュラーになれなかったとしても、「誰よりも早く来て備品やグラウンドの整備をした」と伝えられれば、「組織のために全力で貢献する」という非常にいいPRになるわけです。

 盛るのであれば、感情の部分でしょう。エピソードを話す際に、感情を込めて「やった!と思いました」などと伝えれば、淡々と話しているより人間味が出て、印象が良くなるはずです。間違っても、ウソで盛ってはいけません。

Q8:SNSを就活に生かしたいと思います。何か注意すべきことはありますか。

 ツイッターで不適切な動画を投稿したりする「バカッター」は論外ですが、ふだん何気なくつぶやいたり書いたりする内容には十分に注意してください。

 SNSの場合、インターンシップで仲良くなった先輩社員とアカウントを交換した結果、思わぬ投稿が思わぬ形で企業に伝わってしまった、といったことが実際に起きています。LINEで友達とやり取りする感覚で誰かの悪口を書いてしまい、それがもとで就活の成果を棒に振ったのでは、あまりにももったいない。いまは学生のSNSをチェックして“人物調査”をする企業もありますから、なおのこと注意が必要です。「こういうことを書いたら、どうなるか」と常に想像力を働かせて、SNSと付き合うようにしましょう。

Q9:いくつか内定をもらいました。何を基準に1社に絞ればいいでしょうか。

 私の見た限り、学生は内定を出した後にフォローしてくれた会社を選ぶ傾向が強いです。特に内定者と懇親を深める機会をまめにしている会社は、規模に関係なく学生に安心感を与えているように思います。どれだけ自分という人材を欲しがっているのか、入社後にどう社員を扱っているかの目安にもなりますので、フォローの有無で判断するのも一つの手だと思います。

Q10:インターンシップで飲み会に誘われたら、参加しなければダメですか。

 飲み会に参加したくない理由を、まず考えてみてください。単純に飲めないのであれば、お酌をしてまわるなど、飲まないなりの作法を考える。本音を話したくないのであれば、聞き役に徹すればいい。早く家に帰ってゲームがしたいのなら、その日ぐらいは我慢すべきです。

 どうしても飲み会が嫌だというなら、飲み会をしないような文化の企業や環境を選ぶしかありません。でも、そこまで嫌でないのなら、参加した方がいいです。人間が見えるいい機会ですし、ネットでは得られないリアルな情報を聞くことができるかもしれません。入社後、飲み会に出て人間関係をつくることで、仕事がしやすくなることは多いです。

Q11:就活を成功させるポイントを教えてください。

 失敗を恐れないことです。失敗を恐れて無難な言動に終始してしまうと、選ぶ側としては人との違いが分からず、落とすという選択をせざるを得ません。インターンシップにしても、学生が失敗したときにどう反応するか、どう対処するかを、企業は見たがっていたりするわけです。

 失敗を恐れて周りに合わせていたのでは、必ず苦戦します。そうではなく、人との違いを勇気を持って前面に押し出していく。それが就活を成功させる最大のポイントだと、私は思います。