経団連は2021年卒から就活ルールを廃止。代わりに政府が同様の就活ルールを維持する方針を発表した。就活はどうなるのか。業界の異なる3社の採用担当者に覆面で座談会をしてもらったところ、今どきの学生の驚きの就活実態が浮かび上がった。(構成/嶺 竜一)
――経団連は就活ルールを廃止すると表明する一方、政府は就活ルールの維持を求めています。どう受け止めていますか。
A氏(以下、金融) 当社は明確に就活ルールに準じる方針ですね。理由は三つ。一つ目はルールがあった方が学生は動きやすい。二つ目は当社としても通年採用は大変で、ピークがあった方が楽だということ。三つ目は、自分たちが早く動いて青田買いをしようとしても、他社に抜かれてしまうときは抜かれてしまう。早く動いても結果は変わらないだろうということです。
B氏(以下、メーカー) 当社はもともと5月中旬ぐらいには内々定を出していますが、これ以上積極的に前倒しはしません。ですが、他社の動向をうかがいつつ、周囲がぐっと通年採用にシフトして行ったときに対応できるように土台だけは作っておきたいですね。
インターンシップは8月下旬から3月の解禁まで毎月2回ずつグループで実施します。そこでグループ企業に興味を持ってもらって、あとは各社にエントリーを流していくようなイメージですね。
C氏(以下、商社) 当社は早期選考と通常選考の2パターンで採用しています。早期選考は秋・冬のインターンシップの参加者を特別ルートに乗せるパターン。1次面接、2次面接、最終面接ですから、短期決戦ですね。この早期選考で、春に3割ほど採用してしまいます。
通常選考は3月ごろにスタートします。これ以上早めることは考えていない。早めるのもメリットとデメリットがあって、早期に優秀な学生に接触できるという点はあるのですが、その人たちを長期につないでおいて採用まで結びつけるのは結構難しいんですよ。