地球上には無数の音が溢れています。心が洗われるような音もあれば、耳を塞ぎたくなるような音もあります。
そんな無数の音の中から、綺麗な音色で音程をコントロールし、リズムに乗ることで音楽が生まれました。より良い音楽のために、より安定的で正確な音を出す楽器が生まれました。最新の科学技術のチカラで既存の楽器は改良され、新しい楽器も誕生し現代に至っています。
さて、ここで質問ですが、最高の楽器は何だと思いますか?
もちろん、森羅万象の全てに人々の好みがあるので、これが絶対というものは多分ないでしょう。でも最高の楽器は、人間の声です。
声こそ、音程もヴィブラートも強弱も思いのままで、言葉も表現できます。美しい旋律に乗った言葉のチカラは圧倒的です。声こそがそれを可能にします。声にまさる楽器はありません。
では、次の質問です。声こそ最高の楽器だとしたら、その声に最も近い楽器は何だと思いますか?
サキソフォーンです。特に、男性の声域とほぼ同じ音域にあるテナーサックスは、ほとんど声のような楽器と言えます。
と、言うわけで、今週の音盤は、ジョン・コルトレーンの「バラード」〔写真〕です。