フードロス削減を阻む「大量廃棄社会ニッポン」の独特な消費事情
日本でも社会問題化しているフードロスだが、海外と比べて削減への取り組みが遅れている背景には、独特の消費習慣がある(写真はイメージです) Photo:PIXTA

今年のクリスマスにも問題に
フードロスはなくなるのか

 2020年代が始まりました。2020年代に私たちが取り組まなければいけない社会問題の1つに、「フードロス」があります。国連ではSDGs(持続可能な開発目標)の一環として各国がフードロス問題に取り組むことが採択され、日本は2030年までにフードロスを半減させる目標を設定しました。

 さて、今年のクリスマスもフードロス問題が話題になりました。日本の実態はというと、家庭から出る食品廃棄物は年間832万トンで、このうち「まだ食べられるごみ289万トン」がフードロスに相当します。同様に事業系(スーパー、コンビニや飲食店など)のフードロスが357万トンにのぼります。

 重量でピンとこないというならば、京都市の試算で一般家庭の年間のフードロスは金額にして6万5000円だといえば、わかりやすいかと思います。事業系のロスも巡り巡って、わたしたちの家計の出費に転嫁されることを考えると、政府目標通りにフードロスを半減できれば、家計の負担は年間約3万円ほど抑えることができることになります。つまりフードロス問題は、私たちの生活水準を目に見えて改善することができる政策課題だということです。

 では、フードロス問題を抜本的に解決するためには、どのような取り組みが必要でしょうか。この問題に以前から取り組んでいらっしゃる朝日新聞の仲村和代記者と藤田さつき記者が著した『大量廃棄社会』(光文社新書)という本があります。私もこの本の取材を受けた立場なのですが、その中に取り組みの手がかりが描かれているので、紹介したいと思います。