高市早苗総務相
かんぽ生命の不適切販売問題を巡る現職総務事務次官による情報漏えいについて、緊急記者会見を開いた総務相の高市早苗 Photo:JIJI

 首相の安倍晋三が描いた「越年戦略」に大幅な狂いが生じている。安倍が一向に鎮火できない「桜を見る会」の公私混同問題に加え、衝撃の事件が政権を揺るがした。2019年12月25日午前、カジノを含む統合型リゾート(IR)事業実施に深く関わってきた元内閣府副大臣でIR担当だった自民党衆議院議員、秋元司が、IRへの参入を目指す中国企業を巡る収賄容疑で、東京地検特捜部に逮捕された。

 捜査の着手が外為法違反というのは1976年のロッキード事件と重なる。安倍政権の成長戦略の中核を担うはずの政策に急ブレーキがかかった。国交省は安倍政権になってから公明党が大臣を送り込むことが定着しており、自公関係への影響も避けられない。

 さらに政権にとってより深刻なのは、かんぽ生命の不適切な販売問題だ。かんぽ生命は日本郵政という金看板を背に、法令違反を含む保険の販売で善良な顧客をだますような勧誘を行ってきた。これに追い打ちをかけたのが、現職の総務事務次官の鈴木茂樹による行政処分情報の漏えいだ。情報提供先は元総務事務次官で日本郵政上級副社長の鈴木康雄。総務相の高市早苗による緊急記者会見が12月20日午後に総務省で行われた。バッサリと腐り切ったなれ合い体質を自ら糾弾した。

「事務方トップの事務次官が公務に対する信頼性を著しく失墜させる行為をしたのは誠に遺憾。総務省としておわびする」

「内外落差」を吹き飛ばす
衆院解散・総選挙説

 通常国会は1月20日に召集される。会期は6月17日までの150日間。安倍を待ち受けるのは、「さくら・カジノ・かんぽ」の「逆風3点セット」といっていい。

 内政が混迷する中、安倍は年末年始にかけて“超過密”の外交日程を入れた。「外交の安倍」をアピールすることで、「逆風3点セット」の失態の名誉挽回を図ることが狙いの一つであるのは明らかだ。