Photo:JIJI

 2020年の政治は、祭りでいえば間違いなく「本祭り」の年だ。憲政史上最長の在任記録を更新中の首相、安倍晋三が重大な決断の岐路に立たされる年になるとみられるからだ。背景には二つの「任期満了」がある。一つは自民党総裁としての任期が21年9月末まで。もう一つは衆院議員の任期だ。こちらは21年10月21日まで。つまり二つの任期をにらみながら政治が動くことになる。

 ただし20年の政治日程作りには大きな制約がある。7月24日が開会式の東京五輪とそれに続くパラリンピックだ。パラリンピックの閉会式は9月6日。さらに東京都知事、小池百合子の任期満了に伴う都知事選は7月5日に投開票される。告示は6月18日。このため会期150日間の通常国会は6月17日までに終わらせなければならず、逆算すると召集日は1月20日となる。この間には秋篠宮さまの「立皇嗣の礼」が4月19日に予定される。

 この結果、最大の関心事である衆院解散総選挙のタイミングは極めて限定的になる。「桜を見る会」を巡る安倍の公私混同問題と重なるように浮上した「年始解散」を、通常国会の召集日を早めて断行する案だ。「20から30議席は減る」(自民党選対幹部)というのが永田町の相場観だ。安倍の究極の政策目標は憲法改正にある。

 あえて自公の与党で持つ「衆院3分の2」を失う可能性の高い選挙に打って出るだろうか。3分の2を切っても日本維新の会などを加えて数だけそろえても結局は呉越同舟、改憲への道筋は地平線の彼方に消えゆく。その時点で安倍は政治目標を失う。一気に政権の寿命が縮まるのは避けられまい。

 それでも年始解散の見方は消えない。背景には「桜を見る会」を巡る安倍自身への批判の拡大がある。立憲民主党幹部は「首相が危機から脱出するために、議席減を前提に選挙に打って出る可能性は高まった」と語る。臨時国会の会期末に立憲民主党と国民民主党の合流構想がにわかに浮上したのも年始解散に備えた動きの一環だ。「選挙のことは片時も忘れたことがない」と周辺に漏らす安倍が、起死回生の解散断行の機をうかがっていることは間違いない。

 その次に衆院解散のタイミングとして燻り続けるのが「衆・都ダブル選」論だ。衆院選と都知事選の投開票日を同じ7月5日にするというものだが、これも発想そのものがあまりに消極的だ。

「小池氏の存在感を薄めるために知事選を衆院選に埋没させる」(自民党幹部)