米ボーイングが最新鋭機「737 MAX」運航停止の影響で損なわれている資本基盤を強化するため、借り入れを通じた資金調達を検討している。複数の関係者が明らかにした。ボーイングの資料によれば、昨年9月末時点で手元資金は約200億ドル(約2兆1600億円)あり、資金不足に陥っているわけではない。ただ2度の墜落事故を起こしたMAXに関わる費用が膨らんでいる。ボーイングはMAX墜落で犠牲になった346人の遺族や航空会社への補償に直面している。今月はMAXの生産を見合わせて一部の費用を節減したが、機体の販売で得られる収入も失われている。アナリストらの見方では、今年前半のボーイングの支出は150億ドルを超える可能性があり、同社はその手当てに最高50億ドルを借り入れる見通しだ。ボーイングはMAX生産施設や完成機の保守・点検費用を払うほか、ブラジルの航空機メーカー、エンブラエルの商用機事業の権益80%の取得手続きを終える予定だ。既存債務の返済や配当の原資も調達する必要がある。
ボーイング、追加借入を検討 MAX関連費用が財務を圧迫
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