世界最大の自動車市場の「横滑り」が止まらない。投資家は「衝突」を何とか回避しているブランドに注目すべきだ。中国汽車工業協会(CAAM)によると、中国では2019年の新車販売台数が前年比8.2%減と、2年連続で減少した。一時は輝きを放っていた電気自動車(EV)すら、政府が6月に補助金を削減したことで落ち込んでいる。プラグインハイブリッド車(PHV)などいわゆる「新エネルギー車」の販売は4%減と、前年の62%増から大きく反転した。2020年は改善する可能性が高い。19年初めには2桁台の減少を記録したが、ここ数カ月は減速に歯止めが掛かっている。比較基準の低さも追い風になるだろう。だが、業界はなお低利益に直面するかもしれない。一層クリーンな車やEVの生産を後押しする規制を受け、自動車メーカーはさらなるコストを吸収する必要がありそうだ。企業の乱立による過剰生産能力も利益を圧迫する恐れがある。ジェフリーズは自動車1台当たりの純利益について、向こう2年で2012年の水準に低下すると予想している。