富裕層のカネと節税#6Photo:Ko Hong-Wei/EyeEm/gettyimages

大手上場企業から地方の中小企業まで、富裕層の社長たちが好んで住む地域は一体どこなのか。大手信用調査会社、東京商工リサーチの協力を得て、約380万社の企業データベースから作成した都道府県別のランキングを大公開! 特集「富裕層のカネ・節税」の#06では、まずは東日本編をお届けする。(ダイヤモンド編集部 中村正毅)

進む社長の職住近接

 2000年代初めまで、多くの企業経営者たちが自宅を構え、富裕層が集まる地域の「ツートップ」に君臨していた、東京都大田区田園調布と同世田谷区成城。

 平日の朝ともなれば、黒塗りのリンカーンやクラウンが社長のお迎え車として同地域を激しく行き交っていたが、そうした光景はもはや遠い過去のものとなりつつある。

 今や、社長たちの自宅は「職住近接」が基本。11年の東日本大震災の発生を受けて、リスク管理上、会社と自宅をすぐに行き来できるようにとの意識が高まり、東京・丸の内や大手町の本社に近い都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)への集中が、今でも進んでいるのが実情だ。

「社長が住む街ランキング」で1位となった港区赤坂は、言わずと知れた都心の超高級住宅街。近隣には皇族が住む赤坂御用地があるほか、外国の大使館が立ち並ぶ。

 その昔は大名たちの屋敷町だったこともあり、高台に向かうと広い敷地に要塞のような佇まいの大豪邸が時折目に入るが、社長たちが主に住んでいるのはそうした邸宅ではなく、繁華街の裏手のエリアにあるマンションだ。

 楽天の三木谷浩史会長兼社長も、赤坂のマンションに関連事務所兼別宅を構えているほか、乃木坂に近いタワーマンションには、大手企業の社長や芸能人が多数入居している。

楽天の三木谷浩史会長兼社長の関連事務所兼自宅がある赤坂のマンション楽天の三木谷浩史会長兼社長の関連事務所兼別宅がある赤坂のマンション Photo by Masaki Nakamura