昔のプロトコルがいまだに抜けない「企業と株主」の関係

山口:この前、おもしろいなと思ったんですけど、日本で炊飯器を作っている会社って何社あるかご存じですか?

箕輪:ツイートされてましたね。

山口:83社。

塩田:そんなにあるんだ!

箕輪:驚きですね。

山口:正直ちょっと、どうでもいい会社が多すぎる。シェア70番目の会社とか、80番目の会社に「炊飯器作ってます」「ご飯炊けるんです」なんて言われても「いやいや、聞きたいのはそういうことじゃないよね」ってなりますよね。

塩田:そりゃそうだ。おもしろい!

山口:従業員にとっても、株主にとっても、大事なのは「この船はどこに向かおうとしていて、行き着いた先にどういう世界があるのか」ってことだと思うんです。それに対して「一緒に実現したい!」って思う人がいて、クルーとして一緒にやりたい人は手を貸すし、「お金の出し手」として参加したい人はお金を出すってことだと思うんです。

そのときの説明責任って「(株主に対して)クルーの給料がどれくらい」で「燃料をどれくらい使って」「どれくらい余ったから、どれくらい還元する」という話ではないと思うんです。

塩田:それ、めちゃくちゃわかります。どうしても「四半期決算がどうなった」って話になりますもんね。

山口:茶番ですよ。

箕輪:山口さん、言っちゃっていいんですか(笑)。

山口:茶番ですよ(笑)。

塩田:言ってくれて嬉しい(笑)。

山口:スティーブ・ジョブズが憧れていた経営者に、エドウィン・ランドという「ポラロイド社」を創った人がいますが、ポラロイド社が株主に送ってたレターも、最初は財務諸表とか、普通のものだったんです。

でも、どんどんパーソナルになっていって、エドウィン・ランドが「どういう世界を作りたいか」というビジョンを語る手紙になっていく。そして、それに共感した人がまたお金を出すって感じになっていって、すごくカッコイイんです。

塩田:カッコイイですね。

箕輪厚介(みのわ・こうすけ)
幻冬舎編集者
1985年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、2010年双葉社に入社。ファッション雑誌の広告営業としてタイアップや商品開発、イベントなどを企画運営。広告部に籍を置きながら雑誌『ネオヒルズ・ジャパン』を創刊しアマゾン総合ランキング1位を獲得。2014年、編集部に異動。『たった一人の熱狂』(見城徹・著)、『逆転の仕事論』(堀江貴文・著)を編集。その後幻冬舎に移籍し、2017年にNewsPicks Bookを立ち上げ、編集長に就任。創刊1年で100万部突破。また1300名の会員を擁する日本最大級のオンラインサロン「箕輪編集室」を主宰。既存の編集者の枠を超え、様々なコンテンツをプロデュースしている。著書に『死ぬこと以外かすり傷』(マガジンハウス)など。

山口:今の企業と株主の関係はいつまで経っても昭和的というか、お金がなかった時代、資金調達がすごく難しかった時代のまま変わってないんですよ。株主が偉くて「お金を出すんだから、言うことを聞け」みたいな。

塩田:今はもう違いますもんね。

山口:お金を集められちゃう時代だから、相対的に株主の地位は下がっているはずなんです。でも、企業も、株主も、それをとりまく弁護士事務所とか、証券会社も、ずっと昔のプロトコルが残ったままになっている。そこにすごく違和感がありますね。本当はもう「お前らが出してくれないなら、他の人に出してもらうよ」という感じなのに。

箕輪:ぶっちゃけそうですよね。「じゃあ、さよなら」とまでは言わないけど、本音はそうですよね。知らんがなって。

山口:グーグルも明確に言ってますよね。「短期利益は重視しません」「だから、ごちゃごちゃ言うな」って。