イタリア連立政権の一角を担う左派ポピュリズム(大衆迎合主義)政党「五つ星運動」のルイジ・ディマイオ党首は22日、党首を辞任すると表明した。かつては欧州で特に影響力が強い反エスタブリッシュメント(既存勢力)政党だったが、議員の離党も相次ぎ、打撃を受けている。最大与党党首の辞任は連立政権の弱体化につながり、反移民を掲げる極右「同盟」の勢いが強まることになる。五つ星運動はここ数年、腐敗して現実と乖離した政治エリートに対して一般国民が抱く怒りを支持拡大につなげてきた。2018年の総選挙の得票率は33%で首位だった。だが五つ星運動幹部の多くは政治経験がなく、政権運営に苦慮したため支持率が大幅に低下。同党より規模は小さいものの、過去に連立政権を組むなど政治経験が豊富な「同盟」などの他の連立政党の方が公約を実現する能力は高かった。