世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で形成されるコンセンサスは、強力な逆指標になり得るが、今年は悪い意味で気掛かりだ。2年前、スイスアルプスに集まったエリートたちは世界経済の成長を確信していたが、完全に間違っていた。1年前、彼らは世界経済を懸念していたが、その後に相場は上昇し、またも完全な見当違いに終わった。今年について問題なのは、緩和的な金融政策を根拠に株価バリュエーションの上昇を妥当とみなすダボスのコンセンサスと筆者自身の見解が一致していることだ。これは非常に居心地が悪い。世界最大のファンドの1つ、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の最高投資責任者を務める水野弘道氏は、特に(米中の)第1段階の合意が成立したことから、市場は緩和的な状態が続く可能性が高いというのが基本ケースシナリオだと述べている。
ダボスの楽観ムード、むしろ投資家を不安に
株価は割高水準にあるが、自己満足に陥っている可能性
有料会員限定
あなたにおすすめ