ジョン・ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)が近く出版する著書の原稿が流出したことで、ドナルド・トランプ米大統領の弾劾裁判の見通しに狂いが生じている。なぜボルトン氏が弾劾プロセスで波乱要因になり得るのかを知りたいなら、以前の著書の表題を振り返ってみるといい。「降伏は選択肢にあらず(Surrender Is Not an Option)」は2008年の著書だ。ボルトン氏はそれ以前にジョージ・W・ブッシュ政権で要職を務めていた。この表題は、政府内での長いキャリアと衆目の中で自身が示してきた姿勢を的確に表現している。同氏は敵をつくることを恐れず、信念のためなら不興を買う立場を取ることをいとわず、職を追われることも辞さなかった。