世界のビジネスエリートはドナルド・トランプ米大統領が11月に再選されると確信している。投資家はといえば、大統領選で痛い目に遭うリスクはほとんどないと思っているようだ。現実には、投資家は選挙の行方を巡る三重の不確実性に直面している。懸念してしかるべきだ。昨今の米国は真っ二つに割れているため、大統領選は接戦になる可能性が高い。つまり、根底から不確実性にあふれているのだ。民主党候補の指名はこれからだ。急進的な候補者が選ばれる可能性もある。たとえトランプ氏が当選しても、投資家が期待するような安心感は得られないかもしれない。先週の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で企業幹部らと議論した限りでは、誰しもトランプ氏の当選を強く確信しているようだった。筆者が話をした最高経営責任者(CEO)の多くは、トランプ氏の当選確率を60~80%と見込んでいた。だが、僅差の選挙結果になると思うかと問われると、その同じCEOたちが、51%対49%の得票率になるとの見方で一致していた。つまり、予断を許さない状況ということだ。トランプ氏が当選するとの確信を示したCEOたちだが、その根拠は怪しい。
米大統領選、市場が憂うべき3つの理由
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