2年前からの米中貿易戦争は、世界の貿易の伸びに急ブレーキをかけることで、世界の商取引に激変をもたらした。しかし、一握りの業界や国々は、米中の争いの恩恵で、控えめながら利益を手にした。昨年の世界貿易額の伸びはわずか1%にとどまった。これは2018年の4%、2017年の6%を下回っている。国際通貨基金(IMF)のデータによれば、これは過去40年間で4番目の低水準であり、リセッション時以外では最悪の数字だ。貿易の伸びが鈍化した理由は幾つかあるが、米中貿易戦争が最も大きな要因だとアナリストらは分析している。米中は世界市場における強力な買い手であり、それぞれ年間2兆ドル(約219兆円)以上の産品を輸入している。米中両国間の貿易は、関税などの措置を背景に減速したが、その減少分を他の諸国からの輸入によって完全に埋め合わせることはできなかった。