映画評論家として活躍した人物に、淀川長治という人がいました。彼は日本の俳優や女優はもちろんのことですが、世界中の映画スターたちにもインタビューをしました。そのような中で、淀川長治は「私はいまだかつて嫌いな人に会ったことがない」と述べたのです。彼も人間ですから、数百人の人と会う中には、「この人とは相性が悪い、こういうタイプの人は苦手だ」と思うこともあったでしょう。

 それにもかかわらず、なぜ彼は「嫌いな人に会ったことがない」と言ったのでしょうか。それは、彼が「この人とは相性が悪い」ということと、「この人が嫌いだ」ということを明確に区別して、混同していなかった証拠だったと言えます。

 しかも、「相性の悪い相手であっても好きになる方法もある」と彼は言いました。それは、「相手の長所を見つける」ということです。たとえ相性が悪い相手であっても、「この人には、こんなすばらしい面がある、ということを発見すれば、その相手のことが好きになる」というのです。これも、「他人の目が気にならなくなる」ためのコツの一つになるでしょう。

相性が合わない人とは「断・捨・離」でつきあっていく

「断捨離」という言葉があります。「執着するものを断ち、捨て、離れる」という意味を表す言葉です。

 これは相性が合わない人とのつきあい方を考える上でも参考になるでしょう。たとえば、断捨離の「捨」は、相性が合わない人、性格が異なる相手に対して、多くの人が持ちがちな「あの人に、性格を変えてほしい」という願いを捨てる、ということです。また、断捨離の「離」は、その相性が合わない人、性格が異なる相手とは、少し離れて適度な距離を置いてつきあっていく、ということです。