今週に入り世界株安が進んだのは、債券市場が何週間も前から示していた危険信号にようやく気づいたからか。あるいは、週末に韓国やイタリアで新型コロナウイルス感染が急拡大したことに、株式市場が妥当な反応を示したのだろうか。その答えは重要な意味を持つ。過大評価された株式は、そうでない場合に比べて一段と大幅かつ急速に下落する傾向があるからだ。つまり、国債市場と株式市場に不条理なかい離があれば、ウイルス懸念による株売りは御しがたい「リカップリング」に変貌する恐れがある。弱気筋はここ数週間、株式市場と国債市場のかい離を指摘してきた。米国株と欧州株は19日、過去最高値を更新したが、株式は他の資産からもかい離しているようだった。景気動向に敏感な産業用金属や原油が急落する一方、安全資産の金や国債の価格、そしてドルは上昇していた(国債価格は利回りと反対方向に動く)。株式はリスク資産で、安全資産を求める動きが強まれば通常は下落する。従ってこの株高は奇妙だった。