相場が崩れた場合、その原因は通常、小口投資家ではなく大口投資家にある。新型コロナウイルスがパンデミック(世界的大流行)になりかねないとの警戒感から株価が落ち込む中、大半の個人投資家は現在のところ動揺を見せていない。大口投資家が売りに走る中、小口投資家はこのまま冷静さを保てば、割安株を手に入れられる可能性さえある。市場が急変した際、プロの投資家は真っ先に動く傾向がある。これはおおむね自衛本能からだ。市場と歩調が大きくずれて、顧客から担当を外されることが、彼らが直面する最大のリスクだからだ。このことがプロに過度に市場トレンドを追わせることになる場合がある。「株価が大幅に下落した場合、機関投資家の方が個人投資家よりも売りが激しい」。金融経済学者のパトリック・デニス氏とディオン・ストリックランド氏は2002年の調査でこの事実を発見した。また、大口投資家に広く保有されている銘柄ほど、市場急落時の取引量が大きいことも調査で明らかになった。