ラグビーW杯を陰で支えた興行中止保険
Q、新型コロナウイルスの影響により、マラソン大会やコンサートなどが相次いで中止になる中で、損害保険各社が販売している「興行中止保険」に、改めて注目が集まっていますね。
A、そうですね。ただ、今回はやや残念な注目のされ方になってしまいました。興行中止保険の契約内容の多くが、新種の感染症によるイベントの中止リスクをカバーしておらず、役に立ちませんでしたからね。
Q、そもそも興行中止保険は、どのような損害を補償してくれる商品なのですか。
A、大まかに言うと、台風や豪雨などの自然災害や、出演者のけがや病気など突発的な事由によってイベントを開催できなくなったときに、準備に向けてすでに支払っていた会場設営や広告宣伝などの費用を補償する仕組みです。
契約形態は損保各社や取引相手によって異なりますが、支出した費用の(縮小支払い割合として)80~90%を補償するのが一般的です。
ちなみに、昨秋に日本で開催されたラグビーワールドカップでは、台風19号の影響で3試合が中止になりましたが、大手損保の興行中止保険に入っており、億円単位の費用が補償されたようですね。
そうした保険による補償の安心感が、主催者による早い段階での試合中止という英断につながったように思います。