日本の地下鉄Photo:Tomohiro Ohsumi/gettyimages

「新たな段階」に入った感染問題
社会全体のリスクをどう抑えるか

「コロナウイルス」による新型肺炎(正式名称COVID-19)の問題は、日本国内での感染拡大という「新たな段階」に入る中で、想定されなかった新たな議論も起き始めている。

 クルーズ船の乗客の長期隔離が感染者を逆に増やしたことへの批判が出る一方で、感染者の出た病院の休診や小中学校の休校が広がり、さまざまイベントが中止されていることへの是非もある。

 中国観光客を排除するビラを電柱に貼った男が逮捕されたり、地下鉄の乗客がマスクをしないでせきをしていた隣の乗客と言い争いになり、らちがあかないと非常停止ボタンを押したりということも起きた。

 政府は2月25日、企業には休暇やテレワークの推進、病状がある個人の外出自粛を呼びかけるなどの感染症対策の基本方針を決めた。

 社会全体のリスク拡大を防ぐために個人の自由や人権に関わることも時に制限が必要な場合があるが、どこまで許されるのか。