国際金融市場の混乱を受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)は2008年の金融危機時に導入した政策手段を再び活用せざるを得ない状況に追い込まれている。新型コロナウイルス感染拡大への懸念を背景とする金融システムの目詰まりを解消するためだ。FRBは9日、短期金融市場が円滑に機能するよう、まずは短期の資金貸し出し規模を拡大。緩やかに資金供給を減らしていくとしていた当初の計画を棚上げした。FRBの金融調節を担当するニューヨーク連銀は同日、翌日および2週間物の資金供給オペの規模を拡大すると発表した。銀行や企業が新型コロナの感染拡大による影響に備える中で、金融機関の資金需要の高まりに対処し、緊張が高まる事態を回避する狙いがある。
FRB危機モード、2008年の手法活用も視野
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