米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」の注目記事の要点を短時間でまとめ読みできてしまう『WSJ3分解説』。今回は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による株式市場の暴落をピックアップします。このコロナ危機を受けて、二つの「不都合な真実」が浮き彫りとなりました。そのことが今後の世界経済に与える影響について、WSJの記事とともに解説していきます。(ダイヤモンド編集部副編集長 鈴木崇久)
NYダウは2013ドル安で
過去最大の下げ幅を記録
3月9日、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、米株式市場は暴落しました。米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」が次の記事でそのことを伝えています。
●「ウォール・ストリート・ジャーナル」より
>>米国株は急落して開始 サーキットブレーカー発動で一時売買停止
「ダウ工業株30種平均の終値は前日比2013.76ドル(7.79%)安の2万3851.02ドル。下げ幅は過去最大となった。S&P500種指数は225.81ポイント(7.60%)安の2746.56、ナスダック総合指数は624.94ポイント(7.29%)安の7950.68で取引を終えた」
米株式市場の動揺はすさまじく、マーケットが開いた直後に売りが売りを呼んだ結果、「サーキットブレーカー」と呼ばれる売買停止措置が発動。投資家に冷静な判断を促すために取引が15分間中断されました。
その動きを受けた3月10日の東京の株式市場も大荒れ。日経平均株価は終値こそ1万9867円まで戻して3日ぶりの反発を示したものの、一時は1万9000円を割り込む急落を見せました。
そして、今回のコロナ危機を受けて、二つの「不都合な真実」が浮き彫りとなりました。それは「米連邦準備制度理事会(FRB)の無力さ」と、思わぬところにまで及んでいた「米国の危険な中国依存」です。これらが明らかになったことが今後の世界経済に与える影響について、WSJの記事とともに解説していきます。