習近平3月、中国湖北省武漢を訪れた習近平国家主席。中国国内では、中国共産党の新型コロナウイルス対策を賞賛する報道が多くなされている 写真:新華社/アフロ

米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」の注目記事の要点を短時間でまとめ読みできてしまう「WSJ3分解説」。今回は中国が世界的なコロナ危機に乗じてプロパガンダを強化しているという記事について取り上げます。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)

世界的コロナ危機に乗じて
中国が影響力拡大へ画策?

 新型コロナウイルスによる肺炎のまん延は世界中に広がり、流行の中心地は欧州に移動。中でもイタリアは患者数2万7980人(日本時間17日午前2時)、死亡者は2158人となりました。死亡者数の増加ペースは急速に早まっており、わずか4日間で1000人以上の増加となりました。

 そのイタリアを含む主要7カ国(G7)は16日、緊急テレビ会議を行い、「雇用と産業を支えるため、金融・財政政策を含むあらゆる手段を動員する」という共同声明を発表しました。

 しかし、米経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」では、G7が危機的状況を乗り切ろうと協調するのを横目に、中国が影響力の拡大を狙った動きをしていると指摘しています。

●「ウォール・ストリート・ジャーナル」より
>>【オピニオン】コロナ禍を利用する中国の深謀

 記事では「中国は、大規模な宣伝活動と偽情報戦略を展開するためにパンデミックを利用している」と言及。結果的に「中国で発生した新型ウイルスの感染拡大は、最終的に中国の国際的影響力の拡大をもたらすかもしれない」という見通しを示しています。

 ここで言う「中国の偽情報戦略」には、中国外務省の趙立堅報道官が、米国が新型ウイルスを武漢市に持ち込んだという発言も含まれていることは間違い無いでしょう。