コロナ対策に積極貢献するフィンテック、大手金融機関とは対照的Photo:PIXTA

新型コロナは世界共通の話題
ビジネス界での悲喜こもごも

 2020年は、年始から落ち着かない展開が続いているが、新型コロナウイルス騒動が世界中のヒトとモノの流れを滞らせ、東京オリンピックの開催を危うくする事態にまでなるとは予想しなかった。

 筆者が属するWhatsApp(ワッツアップ)のコミュニティでも、「新型コロナウイルス」の話題でもちきりだ。北米・欧州はもとより、インド、ペルー、ナイジェリアからも「うちの国ではx人の感染者が出た」との投稿が散見される。

 シンガポールの友人は、国外に出張できず困っている。シンガポールのような小国は、内需が小さく、東南アジアや東アジアなどとのネットワークで存在感を高めているため、移動の制限で困る度合いは日本の比ではない。

 国内経済でも観光・飲食・運輸業界は大変だ。先日搭乗した新千歳発羽田行きのB777機は、信じられないくらい空席が目立った。東京・新橋のある飲食店は、一日の売り上げが100万円が10分の1になったそうだ。サプライチェーンで中国と深く結びついている業界の影響も深刻だ。近所の自転車屋さんは、自転車の完成品や部品はほとんどが中国製のため、モノが入らず売るモノがなくなると嘆いていた。

 一方で、新型コロナウイルスが思わぬ需要増につながった業界もある。ある大手ネット証券の経営者は、ツイッターで「こんなことを言うと不謹慎かもしれませんが、オンライン証券はこの数週間大商い」とつぶやいた。他のネット証券も状況は同じだろう。AmazonやNetflixなど、自宅にいながらにして利用できる代替消費関連ビジネスも活況のようだ。

 ベーシックな需要に応える商品・サービスも底堅い。新橋の飲食店のご苦労を聞く一方で、地元の食堂や飲食店への影響はそれほど大きくなく、むしろ普段より忙しいという店主もいる。スーパーやドラッグストアは、いつも以上に混雑している。家族との対話が増えたというプラスの面を指摘する人もいる。