中国政府が10人以上の米国人記者を本土から追放するとともに、香港での報道活動の禁止を決めたことで、香港の部分的な自治が一段と形骸化するとの懸念が高まっている。昨年、香港を揺るがし、リセッション(景気後退)を招いた抗議デモは、自由を制限しようとする中国当局への市民の怒りが大きな原動力となっていた。中国指導部は香港返還の際、「一国二制度」と呼ばれる期間50年の合意の下、2047年まで香港に高度の自治を保障した。中国政府による決定は、移民政策を管理する香港政府の権利に対する侵害であり、ビジネス・金融拠点としての香港の地位に影響を与えかねない。香港の法の支配に対する信頼感をさらに阻害しかねず、とりわけ外国人記者が最初に香港から追放された2018年に警戒感を示した外国人投資家の間では、その傾向が顕著となる可能性がある。
中国の米記者追放、香港の「一国二制度」にも暗雲
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